接着
接着の意義
木材を接合するには、釘、ボルト、ほぞ、ダボなど多くの手法がありますが、接着はこれらの接合とは異なり、複数の木材を完全に一体化することが可能です。
その接合力は極めて強く、木材は接着によってはじめて形状寸法の制限から解き放されることが可能になったといえます。
接着の基本
接着力は、木口面相互の接着より、側面接着の方がはるかに大きくなります。
側面接着であっても、繊維が直交した状態での接着力は、平行状態のときの1/3ぐらいに落ちてしまいます。
含水率は7~15%くらいが最も良く、接着面には不純物の残存がなく、平滑なほど接着は良くなります。
木材用接着剤
国内で一般的に用いられている木材用接着剤を列記します。
- 酢酸ビニル樹脂エマルジョン接着剤(木工用ボンド)
- ユリア樹脂接着剤
- フェノール樹脂接着剤
- レゾルシノール樹脂接着剤
- メラミン樹脂接着剤
- 水性ビニルウレタン系接着剤
- ゴム系接着剤
- ホットメルト接着剤
- その他(エポシキ樹脂接着剤など)
木材の縦つぎ
バットジョイント
プレーンスカーフジョイント
フックドスカーフジョイント
フィンガージョイント (水平)
フィンガージョイント (垂直)
木口面の接着力はきわめて弱いので、木材を縦方向にある程度の強度をもたせて接着しようとすると、これを横方向の接着力に転換させる必要があります。
それで考えられたのが『スカーフジョイント』です。
しかし、スカーフジョイントは材のロスが大きく、特に短尺材のときは歩留まりが悪くなるので、スカーフを折り曲げた形の『フィンガージョイント』が考案されました。
木材のはぎとつぎ
板幅が広くなるように接合することが『はぎ』で、長さが長くなるような接合が『つぎ』です。
はぎ方の例
いもはぎ
相欠きはぎ
ほんざねはぎ
やといざねはぎ
つぎ方の例
契りとめつぎ
2枚組みつぎ
3枚組みつぎ
矩形3枚組みつぎ
とめ形3枚組みつぎ
吸いつぎありつぎ
打ちつけつぎ