とある町役場のロビーに設置予定の大型ペンダントライトを2台製作しました。
アメリカンチェリーの無垢です。
小舟のような形の箱の中の灯りが上の天板に反射してとても幻想的です。
木が生かされたデザイン
大型で、しかも幾何学的な配列の構造ですが、圧迫感なく温もりあるペンダントになっています。
材質を木材にした事と、間接光による照明デザインが奏功しています。
頂戴した図面に沿って製作しました。
木材はアメリカンチェリーです。
美しい反射光になるよう、表面は仕様に忠実に仕上げます。
が、やはり一番気を遣ったのが構造です。
天板の平面を出すために
光源を包む舟形の箱と屋根が4つずつ1組で十時に組まれ、それが上下段で45度ずつズレて3段になっています。
この幾何学的な配列を成立させるのに、4つの屋根が平面になっている事が大きな要素となっていました。
ところが、この4つの屋根は、元々の図面ではそれぞれが独立して箱と繋がっていました。
木材は均質ではないため、同じ形のパーツであっても個体差が比較的大きくなります。
これは、木材の特性上避けられません。
密なところもあれば、疎なところもありますし、木目もあります。
そんな木材を、高い精度で構造が支持されるよう造るのが腕の見せ所です。
今回は重さ・形状・支えのバランスの中で、元の図面では狙った精度で構造が保持できません。
特に4枚の屋根は中心の支えから遠く、同一平面上に持っていくのが困難です。
しかし、この4枚は些細な歪みも目立ちますし、ましてや点灯時に間接光があたる面ですから、灯りの陰影に影響すれば、さらに顕著になります。
妥協できない箇所だと考えました。
ここだけは、図面の変更をお願いして、4枚を繋ぐことで平面を確保しました。
大型の照明は輸送も大変
今回、大型な上、遠方への納品となりましたので、完成した状態から輸送しやすい大きさまで一旦バラします。
再び組み立てるときの嵌め合わせの印をつけながらバラし、厳重に梱包して発送しました。
設置後の写真を頂けたのでブログ記事にしました
遠い町の皆様がこれからこの灯りを見て下さると思うと嬉しくてたまりません。
末永くよろしくお願いいたします。